2014年7月9日水曜日

イギリスで家を買ってみよう - その4 「購入編」

 
どうも、ぬま~りおです。

前回の投稿から1ヶ月以上経ってしまいました。。。
そうこうしているうちにワールドカップも始まり、もう準決勝となりましたね。



さて、今回で完結編としたいと思います。
イギリスで家を買ってみよう、購入編でございます!



順序はボチボチ変わる場合もありますが、一般的には以下の順番です。



① 希望の家に入札する

不動産を通して購入する場合、希望の家を決めたら入札をします。
他に購入希望者が居なくても、この額で購入したいという値段を提示します。
オーナーはそれを見て、落札価格を決めます。

ここがかなり苦戦するところと言われています。
(私は経験していないので分かりませんが・・・)

あまりにも高く設定しすぎると、後々、Surveyorが調査に入った際に
価格相応とみなされず却下される場合もあり、
でも他の購入希望者の額よりも少ない提示だと、落札できないことも。

ただ、少ない額でも落札できる場合もあり、例えば、
投資目的で購入する人の場合、土壇場になってやーめた、ってことも
ありえるため、そうなるとオーナーもSolicitorに依頼して書類作りを
進めてた後にご破算になってしまい、お金がかかってしまうことも。

なので、投資目的より、実際にその家に住むという人、特に、
現在住んでいる場所からの退去期限が近い人の場合は、
絶対にドタキャンされることもない、という点から、オーナーも安心して
手放す、ということもあります。そうなると低い値段提示でも落札可能です。

要は、オーナー、他の購入者との駆け引きがあるわけです。



② Mortgageを申し込む

この、Mortgageの申し込みのタイミングと、①の落札のタイミングというのが
ほぼ同時進行、または②が先に来る場合もあります。
金融機関に、いくら位の家に対して入札していて、こういった商品でMortgageの
借り入れをしたいという希望を出します。

申し込みに際して、事前にアポを取る必要があり、これがまた2週間後に
設定されたりする場合も多いので、早めに実行しなければいけません。
更に、申し込みをした後、金融機関は本当にこの人にこの額を貸しても
大丈夫かどうか、という審査を行います。これも長い。。。

提出すべき書類は、一般的に
・ 過去3か月分の銀行口座のステートメント (出入金履歴)
・ 過去半年分の給与明細
・ 過去3年分のP60 (いわゆる年度末調整の記載された明細書)
・ パスポート ※外国人の場合

当然ですが、他の金融機関からの借金まみれの人に貸すわけにもいかず、
その人の過去の貸借履歴を全て調べる、ということです。
この審査に2週間、その審査結果を聞くアポ取りに1週間とかかかるため、
かなり前倒しで進めていかないと、①の入札でオーナーがキャンセルすることも。

なので、同時進行というより、むしろこちらを進めるのに力を注ぐ必要があります。

ちなみに、我が家の場合、日本人同士の婚姻関係にあるため、
英国内での妻の苗字変更に強制力が無かったことから、
 銀行口座 → 旧姓
 運転免許書 → 今の姓
 パスポートの表紙 → 旧姓
 ビザの登録名 → 今の姓
という状態で生活を送っていたのですが、金融機関からは、
二つの名前で架空口座を作って、他に借金している可能性があるのでは、
という嫌疑がかかりました。。。

これを機に、妻の銀行口座の名前変更、パスポートの更新を実施しました。
当然、銀行の名前変更するには、日本の婚姻関係を証明する
英語の書類(日本大使館で発行可能)を取得する必要があり、
その申請のために親に戸籍謄本を取ってもらったり、と、、、
まぁ、本当に何重にも手がかかりましたし、時間もかかりました。

ですので、結婚で苗字を変えた人は、こういったケースも起こりうるので、
出来るだけ早いうちに対処しておいたほうがいいです。



③ Surveyorによる査定

Mortgageの申し込みをすると、ほぼ同時にSurveyorの手配が行われます。
大体の場合、金融機関が提携しているSurveyorがアサインされます。
自分で探してもいいですが、その金融機関が認める資格があるかないか、
などの条件を確認しなければいけないので、そのまま手続きする方が楽です。

依頼すると、1週間くらいしてSurveyorが購入予定の家に行きます。
家の内装、外装などの点検項目をチェックし、入札した価格に適した
家であるか、というのを査定します。

これは、法外な値段で家の売買をするオーナーを取り締まるためのようです。
この査定でNGとなった場合は、購入手続きもここで白紙になります。



④ Solicitorの手続き

家の査定が終わると、1週間くらいでその結果が金融機関に渡ります。
OKであれば、各種書類作成をするSolicitorの手続きに入ります。

Solicitorも、その金融機関が提携している会社がある場合が多く、
そのまま頼んでしまうことも出来ますし、自分で探したSolicitor
に依頼することも可能です。

ここからが本当の勝負です!

オーナー側にもSolicitorを立てる義務があり、双方のSolicitor同士で
必要書類を作成し、必要な署名だなんだと、色々なやり取りが行われます。
当然、購入者も、何度か呼び出されるなどして、署名を書かされます。

親でも家族でもない第三者による署名が必要な書類もあったりと、
もうー、それはそれは、大変な道のりです。
私たちの場合、頭金の捻出に協力した両親からの送金記録、
両親たちのパスポートのコピーなどまで要求されました。。。

後で聞いた話ですが、うちらをトンネルにして海外投資家が国外に居ながら
イギリスの不動産を不正に購入するのではないか、といった疑いが
かかるためらしく、両親からの「息子・娘が居住する家として協力した」
といった一筆まで書かされました。

この書類作成、一方のSolicitorの動きが悪いと、そこで全部が止まったり
することもあり、本当に手続きに時間がかかります。
家を購入する人が一番ストレスを感じるプロセスです。。。
平均して、1~2ヶ月くらいは、これに時間を割かれると思ってください。



⑤ ついに鍵を手に入れる!

イギリスで家を購入する場合、誰も彼もが口をそろえて言うのが、
その家の鍵を手に入れるまでは油断をするな
です。

Solicitorの書類が最終段階まで来て、いきなり「やーめた」と
オーナーが一方的にキャンセルすることもあります。マジで。
そうなると、それまでにかかったお金、全てが水の泡、白紙になります。

このキャンセルによって被った損失は、相手に補填してもらうことは出来ません。
なので、最後の最後、鍵を貰うまでは購入手続きが完了してない、
いつ何が起こるかわからない、と思っていたほうがいいです。



途中、Mortgageを組む中で、金融機関によっては、
 ・生命保険
 ・家の保険
への加入が必須になる場合もあります。
生命保険では、万一、死亡した際には、保険金によって残りのMortgageの
返済に充てる、といった内容まで書かされたりします。



といったことで、これで全てでございます。
長く遠い道のり、でも、一度購入してしまえば、自分の思う通りに内装を変えたり、
自由に住むことができます。Mortgageの返済は残りますが、家賃はもうありません。

なので、もし機会があって、準備が整ったならば、購入するのもいかがでしょうか!



数ヶ月に渡っての投稿で申し訳ありませんでした。。。

次回は、サッカーのことでもボヤいてみます。



ぬま~りお